『使えない鏡』

とある骨董屋にまったく使えない鏡が売っていた。

あらゆる物を歪ませて見せてしまう。

呪いの鏡と言う者もいた。

ある日、一人の女がその鏡を求めて訪れた。

店主はただ同然で譲り女は歓喜した。

その晩。女はうっとりとしながら鏡を見つめていた。

「あぁ、なんて醜い。素敵な私」。

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